動物と関わる仕事のひとつに動物病院があります。私は子供の頃から、動物が大好きで知人の紹介を経て動物病院に就職しました。
この記事では、動物病院で働くことに興味がある方へ向けて、動物病院に3年勤務する私が実際の仕事内容や、仕事の大変さなど具体的にまとめてみました。
現在、動物病院のお仕事に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。きっと求人雑誌には載らないようなリアルな声が聞けると思います。
動物病院で働くのに必要な資格は?
動物病院の獣医師のサポートをする仕事を動物看護士といいます。国家資格はなく、特別な資格は不要です。
2012年までは各団体ごとに動物看護士の民間資格が存在しましたが、近年では専門学校や大学に進学して、動物の健康管理やケアに関する必要な知識を学び動物看護士の認定資格を取得することが一般的です。
ですが、実際には私のように「資格なし」でも就職することもできます。運よく動物病院で働くことができるよ
うになれば、そこで実務経験を積んでいくことになります。
一度、動物病院で勤務したことがあれば別の病院に転職することも可能です。
働くことになったキッカケ
動物病院の求人募集はほとんど見かけることはなく、知人の紹介から働くことができました。もともと大の動物
好きだったために当時は喜んで、就職を決めました。
動物看護士の仕事内容
動物病院で働く動物看護士は、以下の業務を行います。動物看護士は獣医師のサポートだけではなく、動物の体のケアや薬の発注など多岐にわたる業務を行います。
・ 院内清掃(入院している部屋の片付けやグルーミングで使用したタオル類の洗濯込)
・ 給餌(完食。どの程度のグラム残しているか記録。食器類の準備片付け含む)
・ 散歩(排便、排尿の回数状態把握。どの程度歩いたか、もしくは行けなかったかの記録)
・ 診察の際の保定(動物病院で治療や診察を受ける際に、動物が動いてしまったり、暴れたりしないように固
定する方法です。)
・ 消毒(手術器具の滅菌含む)
・ 検温(動物の体温測定)
・ 採血(血液検査)
・ 体重測定
・ 点滴留置
・ 皮下注射
・ 皮下点滴
・ レントゲン撮影補助
・ エコー撮影補助
・ 手術助手(器具準備、手順撮影他)
・ 受付業務
・ カルテ管理(獣医師への受け渡しも含む)
・ 会計(お薬の用意も含む)
・ 薬品の発注(獣医師の指示分)
・ 雑貨の発注(餌など)
・ グルーミング(ブラッシングやシャンプーなど動物のお手入れ)
・ トリミング(毛のカット)
・ 爪切り
・ 耳掃除
以上が主に行う仕事内容です。動物看護士は獣医師の補助役ばかりでなく、受付や診察、薬剤の発注などオールマイティに業務をこなす必要があります。
勤務時間、休日、給料(昇給制度等)
動物病院で働く職員は勤務パターンも様々です。勤務する病院によって異なる場合もあります。ここでは、実際
に私が勤めている病院を例にお話しさせていただきます。
基本的に早番(1日1人)遅番のシフト制で勤務時間が決まります。早番は8時からとなっていたが、実際には出勤時間どうりの出勤では朝の業務が終わることはまず無理です。早番は6時半から7時には皆出勤しています。
前日遅番で次の日早番というのがデフォルト。(社員2名、パート1名という無理のある体制だったのも理由の一つだが、私が務めていた病院は社員3名が最大)遅番は9時から19時までだが、片付けなど諸々雑務が多く、20時ごろまで働くことも多いです。
一日で言うと、10時間勤務(うち2時間休憩扱いだが、急患や手術が立て込んでいる時はこの時間帯に対応することが多く実質交代で15分程度の休憩の場合も多い)
休日→週休2日。連休なし(お盆、年末年始のみ2連休あり)
ボーナス、昇給なし、福利厚生は最低限度(いずれも病院ごとに異なります。)早朝手当はなく、夜勤手当も最低限度(病院ごとに異なります)
長時間労働と給料のバランスを考えると、相当な体力とメンタルでなければ勤まらないかもしれません。
仕事の魅力
毎日、大好きな動物と関われることは大きな魅力です。病院の治療を受けて、元気になっていく動物を見るとや
りがいを感じます。動物が好きな人ほど動物看護士には向いていると言えるでしょう。
仕事の大変さ
ネットや求人広告、学校のアピールなど世間一般的に言われる魅力は働くほどに無くなっていきます。とにかく
メンタル、体力勝負のみです。
職場の雰囲気
良好。
ストレスがとにかく多いので、なるべく同僚どうしではいさかいのないように務める雰囲気。
職場で上手くやっていくコツ
職場では職員同士で助け合うことが大切です。周囲と争わないことに日頃から信頼関係を構築しましょう。お互
いに声をかけあうことでトラブル防止につながり業務も円滑に行うことができます。
いい職場の見つけ方
ある程度の給与(仕事量と釣り合いのとれているところはまずありません。)、休みが確定している。
社員が多い。(こじんまりとしているところは、患者に親身に接するため高評価頂けるが、働く側は一人あたり
の業務が余るほどあるため相当やる気があるか、院長の人柄がよほど良くないと続きません)など前もって調べておく必要があるでしょう。
こんな人は向いている
・ 自分の生活より動物の命を優先できる方。
・ 体力、気力に相当の自信がある方。
・ お金より仕事の充実度で満足出来る方。
・ 将来より動物と向き合うことを大切にできる方。
・ 配偶者が既にいる方。
・ とにかく働くことが生きがいな方。
・ ストレスを感じない方。
こんな人には向かないかも
・ 自分の生活も大切な方。
・ 将来性を考える方。
・ ストレスに弱い方。
・ 未婚の方。(一人暮らしなど)
・ 休日を大切にしたい方。
・ 福利厚生の手厚さ重視の方。
仕事でのトラブル例
あまり大きなトラブルに遭遇したことがありません。
動物保険は任意でありますが、かけている方は一部なのでお金のお支払いが滞る飼い主様は多かったです。そして、トラブルではありませんが、診療に来られた動物から噛みつかれたり引っかかれて生傷は絶えません。
仕事でのトラブルに上手く対応するには?
飼い主様ともめたことがありません。
お金のお支払いの督促はすることがありました。仕事のトラブルよりもあまりの仕事量に疲れてしまうことがあるので、先ほども述べましたように体力に自信がある方は長く勤めることができるでしょう。
まとめ
動物看護士は、所得が決して高くはなく、また労働時間も長いために、ただ動物が好きというだけでは勤め続けることは困難な職業です。
しかし、「動物のためにどんな苦労をしても良い」「たくさんの動物を救いたい」という方にとっては、動物看護士はやりがいのあるお仕事です。
飼い主からも頼りにされ、経験を積むうちに動物の知識も身につきます。毎日、たくさんの動物と関わることで、自分の役割というものも見いだせるでしょう。
動物看護士は、動物や飼い主の不安を取り、病気やケガから救ってあげることが役目です。日々こなしていく仕事から、精神面での成長もきっとできることでしょう。
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